第44号:1人粗利3千万、年収1千万円事業構築の原理原則

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「シライ先生、ぜひこのテーマで講演をお願いできませんか?」ある金融機関支店長との会話中に出てきた一言です。このテーマとはもちろん、弊社が専門としている”1人粗利3千万円・年収1千万円社員を生み出せる仕組みの構築”についてです。
今回のコラムでは、このコンサルティング思想=価値創販コンサルティングの最も根幹にある2つの考え方をお伝えします。
「単位当たり儲けの最大化」を可能とする仕組みの構築
「高収益・高賃金事業構築」に込められている本質は、単位当たり儲けを最大化する経営を目指していくノウハウ・仕組みづくりのご支援です。分かりやすく言えば「薄利商売」ではなく「高利商売」の仕組み作りということになります。
単に利益を出す経営であれば、薄利商売でも可能です。商品1つ、ヒト1人が生み出す儲けが小さくても、商品供給量や人を増やしていくことで、チリツモで利益が積み増しされますから、会社を維持発展させていくための利益を残すことは可能です。しかしもし、この方針で社員の給料を増やすことまで考えた場合、積み増しされる薄利の余剰から社員の給料アップ分を捻出することになりますので、相当な規模の追求をすることが求められます。
もちろん、そういった経営を目指すことは一向に差し支えありません。実際に規模の大きな会社の中には、そのようなカタチで高収益高賃金を両立している会社もたくさんあります。このような、投入人数や設備を増やして高収益高賃金を目指すことを、弊社では「ヨコの成長・量的成長」と呼んでいます。
一方、弊社が提供しているコンサルティングは、それとは反対に位置します。規模を大きくする代わりに、社員1人が稼ぎ出す粗利を最大化することによって、会社の利益と社員の賃金を大きくしていく仕組みを提唱しています。1人が高利を稼げるようになれば、社員数や販売規模に頼らなくても、会社の利益と社員の賃金を同時に引き上げることができます。
人や設備を増やして売上利益を積み増しするのではなく、ヒト1人の生み出す儲けを増やすことで、規模に頼ることなく会社も社員も豊かになっていくことを弊社は支援しています。これを弊社では「タテの成長・質的成長」と呼んでいます。
特に弊社が重視していることが「人」と「時間」資源の投下に対するリターンの大きさです。経営に正解はありませんし高収益を生み出す方法は幾通りもありますが、弊社が専門としているやり方が、この「ヒト・時間当たり儲けの最大化」により、超高収益・高賃金を実現していくノウハウの提供です。
これを可能とするノウハウには2つの基本的考え方があります。1つは「ウリモノの利幅最大化」、もう1つは「最小人員資源での運営体制構築」です。
ウリモノの利幅最大化
1人粗利3千万円を実現していくには、まずあなたの会社の「ウリモノ」が高い粗利・単価で売れていくことが第一の条件となります。平易な言い方で言えば、安くして沢山売るのではなく、高くして沢山売るということです。これはモノを売ることだけでなく、サービスや技術技能を売ることにおいても全く同じです。
価格設定こそ、この1人粗利3千万円事業構築における最大のポイントです。あなたの商品サービスをいくらで販売するのか?どうすれば30%、50%でも高い価格で売れていく仕組みを作れるのか・・・?それは経験や勘ではなく、明確な論理によって作っていくことができます。
その価格が決定するメカニズムは、常に「需要と供給のバランス」です。需要側が大きく供給側が少なければ販売・受注価格は上がり、逆に需要側に対して供給側が大きければ価格は下がります。至ってシンプルな市場原理によって価格は決定されます。
商品サービスの品質を高めることは確かに重要です。しかしそれによってこの需給バランスへの働きかけができていなければ、残念ながらあなたの価値ある商品サービスを、それに見合う対価で受注販売することはできません。
自らの生み出す価値にそれ相応の価格を付けて売っていくためには、「需要と供給のバランスを意図的に崩していく」ことが必要です。あなたの商品サービスが、既存の市場カテゴリーの中で語られ続ける限り、あなたは市場の中で多数供給業者側にプロットされることになり、価格主導権を握ることはできません。
あなたが何を世の中に提供しているとしても、それが一般的なカテゴリー、例えば「金属加工メーカー」「生産ラインメーカー」「中華料理屋」「ITベンダー」「デイサービス」・・・といった形で顧客のなかで認知されている限り、あなたはそのカテゴリー内の多数供給業者側になります。
そうではなく、「自らの独自価値を武器に、自らの独自市場を形成すること。」これこそが価格主導権を握り、商品サービスを高い粗利で売っていく大きなポイントになります。あなたの会社が培ってきた独自性(それはどの会社にも必ずあります)を、市場が認識できる大きな独自価値に変換し、これを中心として自ら独自市場を作っていくことです。
「金属加工屋」ではなく「売れる美観品質づくり企業」、「産業機械屋」ではなく「止まらない工場創造企業」・・・このように自らの提供価値を定義し直すことで、他社との明確な識別境界線を設定し、その周りに顧客を集めていくことで唯一無二の独自市場を形成します。
自らの磨いてきた独自の技術やウリを活かして、自らの市場を作り出すことで、貴方の会社は顧客にとっての唯一無二の供給業者になります。これによって価格の主導権を握ることが可能となります。
最小人員資源での運営体制構築
1人粗利3千万円を実現していくもう1つの条件が、最小人員資源の投下で回せる事業運営体制の構築です。
先ほどのウリモノの利幅最大化は、お金の入側を最大化する仕組み作りです。しかし1人粗利3千万円を目指していくには、これを生み出す投下資源側を最小にする必要があります。どんなに利幅を取れていても、それに対して大勢の人を投下してムダとムラだらけの運営をしていては、1人粗利は減っていってしまいます。
「提供価値を最大限大きくしながら、その価値を守り伝えていく運営を、最小人員数でこなす」。この組織運営の肝は「業務と育成の構造化・仕組み化」です。
構造化とは、1人粗利3千万円経営に必要な会社全体の業務の全体像と構成要素、それらの関係性を整理することです。仕組み化とは、それが日々の運営サイクルの中で反復的に再現・高度化していくように機能させることです。
例えば営業部における商談業務であれば、営業プロセスとして「リード獲得→顧客対応→見積提出→受注」に分解できます。これを構造化と言います。
そしてこれに対し、「毎朝8時に訪問前ロープレを行う」「リード獲得テンプレを毎週月曜にSNSで自動配信」「商談資料の形式化と活用ルールの制定」「価格交渉については3%までは営業裁量、それ以上は上司への判断を仰ぐ」などといったような、行動の規定によって運営が回っていくようにすることが仕組み化です。
これは、社員1人1人のやる気、協調性、能力といったパーソナリティをベースとした組織運営とは真逆の考え方になります。弊社が提唱している価値創販コンサルティングでは、「成果を生み出せる業務の構造と仕組みの中に、適量適所に人を割り当てしていく」という考え方を基軸に置いています。
会社の価値と成果をもたらしているものは、日々回され続ける「業務」です。その業務を遂行するための資源の1つが人材です。フローで示せば、「成果」←「独自価値」←「業務」←「人材(遂行資源)」という構造を設計することになります。
この考え方は最小人員数で業務を回すためには非常に重要です。先に「業務設計」があり、後からその「遂行資源」が決まります。遂行資源の選択肢は「社員」だけでなく、「設備」「システム」「外注」など様々にあります。
社内には様々な業務があります。大きな価値(成果)を生み出すことに繋がる業務もあれば、時間を取られる割に価値(成果)に繋がらない業務も混在しています。様々な業務が、組織や部門というバスケットの中にごった煮返し状態で存在しています。多くの場合、各業務が生み出す価値の大きさも、各業務にかかる時間も、誰がいつ何にどれだけの時間を費やしているかもブラックボックス化しています。
時間当たり生み出す価値が小さい業務に人を割り当てていれば、1人粗利が増えていくことはありません。言い換えれば、「社員」には本当に自社の独自価値創造に直結する業務だけに従事させ、それ以外の業務には、極力その他の遂行資源を割り当てなければなければならない、ということです。そのために業務の構造化・仕組み化を進めて行く必要があります。
まとめ
「ウリモノの利幅最大化」と「最小人員数での運営体制構築」の掛け合わせが、価値創販コンサルティングのベースとなる2つの考え方です。
自社の独自性を活用した高単価・高粗利・高付加価値型の経営にシフトしていくことで、社長はあくせくしない経営、ゆとりと豊かさのある経営を実現できます。
弊社は、中小企業の質的成長による事業成長を、価値創販コンサルティングサービスによって後押しをしています。