1. HOME
  2. ブログ
  3. 今週のコラム
  4. 第47号:売り先を変えて価格主導権を握る、受注導線構築のポイント

今週のコラム

今週のコラム

第47号:売り先を変えて価格主導権を握る、受注導線構築のポイント

最新セミナー情報

「価格の主導権を持つ王道経営5大戦略セミナー」(東京開催)受付中。
「1人粗利3千万円、平均年収1千万円越えの、本気で儲かる会社をつくる5大戦略」(東京開催)受付中。
詳しくはセミナー情報をご覧ください。

最新刊のご案内
最新エッセンスブック「社員の給料を上げながら、会社の儲けを最大化させる法~ゆったり大らか経営で最高益を更新する6大ポイント~」が発売されました!
Amazonでお買い求めいただけます。

「シライ先生、弊社これまであまりホームページを活用していなかったのですが・・・」士業法人を営むA社長と、エアコンの効いたオフィスにてコンサルティング中に出てきたご発言です。

 コンサルティングプログラムも中盤に差し掛かり、価格の主導権を握っていくための”受注導線”の設計と実装フェーズに入っています。A社は、これから自社の独自価値を「高め・守り・伝えていく」ための販売のあり方を、事業に実装する段階に来ています。

 事業を高付加価値化していくために必要な条件は、自社が価格の主導権を握っていることです。その価格主導権は、次の要素が揃ってはじめて握ることができます。

・事業が提供する「独自価値」が、姿形を伴って明確になっている
・認知~受注販売までの「受注導線」が設計されている

 まず独自価値とは「顧客が感じる、他所にはない独自の素晴らしさ」です。顧客は、自身の願望を叶えるためにお金を支払い、モノやサービスを購入します。単純な話をすれば、顧客が感じている物凄く大きな願望を叶えてくれるのが貴方の商品サービスだけであれば、顧客は喜んであなたにプレミアムを支払います。すなわち価格の決定権を貴方が握れるビジネスになるということです。

 そして受注導線とは、その独自価値の素晴らしさを「高め・守りながら伝えていく」受注活動の要素と繋がりです。受注販売活動を通じて独自の価値を正しく伝えていくことができれば、その独自価値に共感し、プレミアムを支払ってでも欲しいと思う顧客が増えていきます。

 価格の主導権を握るための2つの要素のうち、独自価値は会社の「ウリモノ」定義になります。そして受注導線は「売り方」の定義になります。そして「ウリモノ」と「売り方」は「売り先(顧客)」と密接に関わり合って定義されることになります。

■「ウリモノ」が変われば、「売り先」「売り方」が変わる
■「売り方」が変われば「売り先」「ウリモノ」が変わる
■「売り先」が変われば「ウリモノ」「売り方」が変わる

 この「ウリモノ・売り方・売り先」が一貫性を持って整合している状態こそ、高付加価値商売、価格の主導権を握れる商売が実現している状態です。我々は、この3要素に変化を加え続けていき、絶えず事業が高付加価値化していく方へチューニングしていく必要があります。ウリモノ・売り方・売り先の組み合わせが何年も変わらない事業は、すべからく低収益化していくことになります。

 A社も受注導線を構成する要素の一つとしてホームページを持っています。しかしその運用に対して具体的な方針があるわけではなく、社長はじめスタッフも「競合も持っているから」「見に来てくれた人がいれば問い合わせに繋がるかもしれないから」という意識で運用しています。

 実際にそれで問い合わせが入ってくることもたまにありますが、そこから契約に至るケースは稀だとのこと。多くの場合、相見積もり的な利用のされ方をしています。

 残念ながら、このようなホームページは巷に数えきれないほど溢れています。A社長も、世の中の流れ的にホームページやSNSが必要だということは思っているものの、内心では、従来のメイン販路であった「紹介」「訪問営業」がメインであり、この業界でホームページやSNSは集客の柱にはならないのでは、という思いがあります。

 そう感じてしまう理由は明快です。ホームページやSNSなどのオンライン媒体に対する「苦手意識」です。もちろん、社長もスタッフもプライベートではSNSを見たり活用はしています。しかし商売として武器化するということについては「うまくいく使い方や運用方法がよく分からない」というのが大半の見方だったりします。

 しかし世の中を見渡せば、オンライン媒体だけで驚くほど高額な商品サービスを定価販売しているところは沢山あります。もはやクルマ、不動産、楽器など「触れて味わなければ購入をためらうような高額品」ですら、オンライン媒体で販売が成立するということも珍しくありません。

 また、オンライン媒体とリアル媒体(営業)を組み合わせる形で、オンラインがなければ知ることも出会うこともなかった市場を取り込み、新たな顧客層を開拓していく会社もあります。我々も1生活者として行動を振り返れば、オンラインが我々の購買行動に影響を与えていることはもはや自明の理です。

 ホームページやSNSという要素を導線の一部として加え、正しく機能させていくということで「売り方」が変化すると、「売り先(顧客)」が変わります。そして売り先が変わると何が起こるか?それは、自社のウリモノに対して従前の顧客が感じていた以上の価値を感じる、支払い意欲の高い顧客が入ってくる可能性です。

 これまでの自社がアクセスできる見込み客というのは、ある意味自社の過去の経験の延長線上にある顧客になります。良くも悪くも、顧客の「性質」が同質的なのです。サービスに求めること、支払い意思と能力、雰囲気・・・そういった性質が同質的な顧客層と取引を続ける限り、規模は大きくなれども、会社の根本的な収益構造(単価・利幅・粗利益率・1人粗利)は変わりません。

 自社の独自価値(ウリモノ)に対して好反応を示す顧客層がどこにいるか・・・それは事前には分かりません。「年商5億円規模の会社」とか「30代女性」という法人や人がどこにいるかは分かっても、「自社の独自価値を欲する真の願望」を持った顧客層がどこにいるかは分からないのです。

 そもそも、人は自身の真の願望に気が付けないという特徴があります。故スティーブジョブスは“People don’t know what they want until you show it to them.”(人々は、それを見せられるまで、自分が何を欲しいか分かっていない。)という言葉を残しています。

 人は、貴方が提供する独自価値の素晴らしさを「見せられ、オファーされ」はじめて本当はそれが欲しいと思っていた、ということを認知するのです。

 これまでにない新たな媒体を導線に加えるということは、新たな利益をもたらしてくれる新たな顧客層探索において意味があり、より大きな儲けに繋がる顧客へと、自社の顧客を徐々に入れ替えていくことを後押しするものです。

 何事にも例外があり、どんなビジネスでも100%オンライン媒体が必要とは言いません。しかし、今はインターネット元年と呼ばれた1995年から既に30年以上も経過しています。

 すぐに感応し始めた業界もあれば、ゆっくりと感応していった業界もあります。しかし我々1個人としての行動を考えた場合、オンライン媒体というものはもはや自動車やスマホと同じく、そこにあって当たり前の媒体です。

「この業界では~」「我々の商売は~」「見えない関係よりリアルな深いお付き合いが重要だ」それが新たな導線を様々に試した結果の意見なら良いでしょう。しかしもしそれが、「上手くいく使い方が分からないという苦手意識を覆い隠している言い訳」も内包しているのであれば、これは非常にもったいない話です。

 モノづくり、技術、接客、サービスなど、会社を成り立たせている能力は、長年に渡る業務の繰り返しによって徐々に高度化されていきます。「受注導線」もそれと全く同じです。毎日のように導線に向き合い、繰返し使い、繰返し改善するからこそ、実践で成果を上げられるカタチへと成長していきます。

■一度作ってその後ほとんど手を加えず、最終更新日が数カ月前で止まっている・・
ブログやSNSの投稿を「気が向いた時」「時間ができた時」にやる・・
投稿すべき内容が思いつかないのか、独自価値と無関係な情報を発信する・・
そんな動きをしている組織に対して、社長もどう方針を打ち出せばいいか分からない・・

 もしあなたに心当たりがあるなら、これはチャンスでもあります。なぜなら同業他社もまた同じように考えていて、オンライン導線の本格的運用や、オンラインとリアル営業を組み合わせた強い導線づくりには取り組んでいないからです。

 私自身、勤め人として働いていた頃は、高額商品サービスを提供する伝統産業の中でマーケティングをしていましたが、当時はオンラインという導線を真面目に考えている同業他社は少なかったです。そこでいち早くオンライン導線を受注導線に付け加えたことで、より高い価値を見出してくれる顧客層を取り込んでいった経験があります。

 弊社のコンサルティングはその時の経験・知識をベースに体系化しているものになりますが、業界としての体質が新しかろうと古かろうと、導線構築においては問題ではありません。顧客層からすれば、貴方の会社の独自価値を見られる場が多ければ多いほどありがたいからです。

 導線を広く強くしていくことで、独自価値をプレゼンテーションする場は飛躍的に増えます。場を増やしながら、ホームページやSNSで表現すべきコンテンツの種類と内容を整え、次への行動を促す導線を接続させていく・・・同業他社の見よう見まねで作るのではなく、意味のあるホームページにしていくのです。

 これによって、既存の人力だけでは成し得ないほどの質・量ともに充実した顧客層を取り入れていくのです。それがやがて、価格の主導権を持ち、1人粗利を最大化していく事業へと成長させていくことになります。

 A社長は、自社の受注導線の設計を行った後、この実装に入ります。A社長は実装において独自価値を強くしていくための導線運用の方針を作り上げます。A社にとってはじめての「価値を高め・守り・伝えていく」複合導線の運用が始まります。

 あなたは、新しい顧客層を取り込んでいくための、新しい導線設計と運用に対して、具体的な方針を持っていますか?

メールマガジン

価値創販ビジネスの
着眼点

毎週火曜配信のコラムの他、各種ご案内をお届け中です。ぜひご登録ください(登録無料、解約随時)。
メールマガジンにご登録の方に、

毎月開催しているセミナーの冒頭部分を凝縮したダイジェスト版(約18分の音声配信)をプレゼント!

関連記事

トピックス

無料メールマガジン登録

メールマガジン

価値創販ビジネスの
着眼点

毎週火曜配信のコラムの他、各種ご案内をお届け中です。ぜひご登録ください(登録無料、解約随時)。
メールマガジンにご登録の方に、

毎月開催しているセミナーの冒頭部分を凝縮したダイジェスト版(約18分の音声配信)をプレゼント!