株式会社K社様

年間1,000万円の赤字事業が黒字目前まで回復。今は“こうやればこうなる”と見通しを持って経営できています
株式会社K社
取締役社長 H様
代表取締役会長 S様
事業:宅配事業、居酒屋事業、製菓事業
■宅配事業、居酒屋事業、製菓事業をチェーン展開しています
もともとは宅配チェーン事業を中心に事業を展開しており、複数店舗で運営しています。こちらは事業別で見ても大きな営業利益が出ており、会社の収益の柱になっています。
また、居酒屋事業も運営しており、原価高騰の影響で一時は利益が出にくい状況もありましたが、約8%の値上げや営業時間の延長などを実施したことで、原価率の改善や客数の増加が見られ、黒字化の見込みが立っている状態でした。
会社としては、利益を出せる事業はしっかり持っている状態でした。ただ、新規事業として取り組んだ製菓製造販売が、会社全体の収益に大きく影響を与えていました。
■不採算事業が全体の利益を食っていた
製菓事業については、これまでにできる改善は一通りやってきたつもりでした。店舗を6店舗から縮小し、セントラルキッチンも見直し、・人件費削減・製造回数の見直し・商品構成の整理・原価の見直しなど、かなり踏み込んだ対策を取ってきました。
それでも、年間で約1,300万円の赤字という状況でした。日販も損益分岐点に届かず、感覚としては「頑張っても届かない」という状態でした。正直、「ここまでやってダメなら、どうすればいいのか分からない」というのが本音でした。
会社全体で見ると、宅配チェーンや居酒屋事業で出した利益が、そのまま製菓事業の赤字に回っていく構造で、「稼いでも残らない」状態が続いていました。資金繰りも楽ではなく、借入返済もある中で、「このまま続けていいのか」という迷いは常にありました。
■やるべきこと、数字、撤退基準が見えているので、判断に迷うことが少なくなりました。

代表取締役会長:S様 取締役社長:H様
最初に大きかったのは、製菓事業の収益構造を数字で整理してもらったことです。それまで自分たちは、「もっと売るか、コストを削るか」という発想でやっていました。
ただ、シミュレーションで示されたのは、その延長では黒字にはならないという現実でした。これは正直ショックでしたが、同時に「だからここまで苦しかったのか」と納得できました。
その上で指導されたのが、単価を引き上げて粗利率を変えることでした。具体的には、単価を上げれば販売数量が減っても黒字化できるというシミュレーションを見せてもらいました。
ただ、これについては正直かなり不安がありました。これまで500円台の商品を中心にやってきた中で、1000円弱の商品を出すことに対して、「本当に売れるのか?」という疑いは強くありました。それでも、段階的に試す形で、高価格帯の商品を導入しました。
結果として、この判断が大きな転機になりました。実際に出してみると、想定していたよりも売れるという反応があり、これまでとは違う手応えを感じることができました。
■撤退基準を定めた計画が、判断の軸をハッキリさせた
さらに、商品ごと・販路ごとに・売上・単価・粗利を分解して計画を作り、「この数字を達成するために何をやるか」を明確にしたことも大きかったです。また、毎月の数字をモニタリングしながら計画と照らし合わせる習慣が、改善サイクルをしっかり回すうえで非常に重要だったと気づかされました。
具体的な打ち手だけでなく、「計画を立て、測り、改善する」という基本動作を継続することの大切さを改めて実感しました。
また、もう一つ大きかったのが、撤退基準を具体的な数字で決めたことです。それまでは、「なんとか黒字化したい」という気持ちで続けている部分があり、どこまでやるのか、どこで判断するのかが曖昧な状態でした。
しかし今回のコンサルティングでは、資金繰りの計画と連動させた形で、 「○○時点で、製菓事業の営業利益がマイナス○○万円を下回る場合は撤退する」という具体的な基準を設定しました。さらに、会社全体の資金水準としても、「現預金残高が○○万円を下回るような状態になれば、事業として継続すべきではない」というラインを明確にしました。
撤退基準も決めたことで最悪のラインが見えている状態になり、そのうえでやるべきことが数字で見えているため、判断の軸がはっきりしました。
■年間1,000万円の赤字事業が黒字目前まで回復
製菓事業は、直近では、2月は収支トントン・3月は黒字見込みというところまで来ています。通常ラインの粗利益率が70%前後に対し、高額製菓の粗利益率は80%前後あり、これが利益全体を押し上げています。売上も前年対比で111%と伸びており、粗利も改善しているため、利益として残る状態に近づいています。
また、運営面でも、製造頻度の見直しやオペレーションの改善によって、少人数で回せる体制が整ってきています。
毎年続いていた1,000万円の赤字事業が、黒字化目前まで来ています。「あの時諦めなくてよかった」と、今は素直にそう思えています。
■若いスタッフたちが、いい生活を送れるように
今後の展望としては、まず製菓事業を完全に黒字化させて、安定して利益が出る状態にしたいと考えています。その上で、・高価格帯商品の強化・新商品展開・店舗展開など、次のステップに進んでいきたいです。
中期的には、新店舗への出店を実現したいと考えています。製菓事業のさらなる多店舗展開や、居酒屋事業の拡大も視野に入れており、そのタイミングでは再度ご支援・ご相談をさせていただきたいと思っています。
若いスタッフたちがいい生活を送れるように、そのために店を増やしていく。次の世代にバトンを渡す前に、しっかりとした土台を作る。それが今、自分に課した使命だと思っています。スタッフや支援してくださった皆さんへの感謝を忘れず、これからも一歩一歩、前に進んでいきます。